よい入れ歯とは

 よい入れ歯とは、一言でいえば日常生活で困らない入れ歯ということになるでしょう。例えば入れ歯を装着しても違和感や痛みがなく、食事にも支障がなく味覚を感じることができることがよい入れ歯の大切なポイントです。あるいは会話で相手に聞きづらいという印象を与えることがないなど、さまざまなポイントが指摘できます。
 そうした日常生活に困らない入れ歯の条件として、次のような項目が挙げられます。

●正しく計測して作られた入れ歯…前述したように入れ歯がその人の口腔内の形態に合っていないと、落ちやすくなってしまいます。ほかにも合っていない入れ歯は肩こりや骨盤のゆがみをはじめ、健康にもさまざまな悪影響を及ぼします。合っていない入れ歯が作られる最大の要因は、きちんと計測をしていないからです。よい入れ歯は個々人の口腔内の形や特性を把握し、きちんと計測してその人の骨格に合わせて作られます。
●正しい噛み合わせができる入れ歯…いうまでもなく入れ歯の最も重要な役割は、食べ物を噛むことです。しかし普段はなんでもないのに食べ物を噛むたびに痛みが走ったり、入れ歯がずれたり落ちてしまったりすることは少なくありません。これは上下の入れ歯が、うまく噛み合っていないことが原因です。
●審美的に優れている入れ歯…審美的に優れていることもよい入れ歯のポイントです。入れ歯はスマイルラインをはじめ、顔の表情にも大きく影響します。人それぞれ顔形が違うように、その人に合った歯並びが重要です。すなわち容貌の調和が大切です。
●優れた素材を使っている入れ歯…入れ歯をつくる際、保険診療と自由診療があります。保険診療の場合、安い費用で済みますが、入れ歯に使われる素材は限られます。例えば、総入れ歯を作る際、保険診療では一般に義歯床にはレジンと呼ばれる樹脂が使われます。このレジン床は、自由診療の場合に使われるチタン床など金属床と比べ、厚くなります。このため違和感が大きく、食事をはじめ生活の様々な場面で支障をきたす度合が大きくなります。
●アフターフォローによる機能回復ができる入れ歯…入れ歯は作ってすぐにその人にピッタリ合うものではありません。治療の現場と日常生活では口の中や頬の動きが違います。このため、新しい入れ歯は数か月間に渡る調整が必要です。そうした調整を経て、入れ歯は「自分の歯」になるのです。また入れ歯は時間とともに摩耗したりヒビが入ったりするので、修理や部分的な取り替えが必要です。せっかくなじんだ入れ歯を、劣化してきたからといって新しく作り替えるのは費用や時間のコスト面からも望ましいことではありません。よい入れ歯はアフターフォローによって、機能を蘇らせることができます。

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