入れ歯と筋肉の関係
「入れ歯をつけると、噛むときに力が入らない」という声もよく聞きます。力が入らず噛むことができないのは、入れ歯に不都合があって筋肉が本来の働きをしていないからです。噛むことに関係している筋肉は咀嚼筋と呼ばれ、一般に咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋の4種類が挙げられます。咬筋と側頭筋は前歯で噛み切ったり、噛み砕く運動に関係しています。内側翼突筋と外側翼突筋は奥歯で食べ物を磨り潰す運動に関係しています。
特に咬筋、側頭筋、内側翼突筋の3つの筋肉は閉口筋と呼ばれて口を閉じるときに働き、しっかりかみしめる口の動きに深く関係しています。入れ歯はこの3つの筋肉の動きを考え、噛む力が集中する箇所に歯を排列して作る必要があります。「噛むときに力が入らない」という人は、この3つの筋肉の働きから見た場合、歯の排列が望ましい位置からずれていることが考えられます。このほか時間の経過とともに歯肉がやせ細り、顎に力が入らず噛めなくなってしまう場合もあります。