MTC05 ひずみは2週間から3ヶ月で改善する

装着後2日は個人差なしで変化する

当院では本義歯を作成する前に治療義歯というステップをはさんで噛み合わせを改善し体のひずみをとっていきます。治療義歯とは、本義歯を作る前にお口の中を改善する目的で入れる入れ歯のことです。

 治療義歯を入れる目的は4つあります。
1.本入れ歯を前提として審美性(見た目)を保つこと。
2.抜歯後の粘膜やフラビーガム(コンニャク状歯肉)のような歯肉を改善すること。
3.噛み合わせを改善すること。
4.骨の吸収を防ぐこと。

 この中でも3番目の目的は重要で、程度の差こそあれ患者さんは今まで入れ歯を入れておられなかったことや、入れ歯をいれていたとしても正しくない噛み合わせにより様々な身体の不調や、筋肉・骨格のひずみを持っていらっしゃいます。この状態を咬合(噛み合わせ)から改善していくのが治療義歯の大きな目的なのです。どのように改善するのかステップを追って説明しましょう。上の図を見てください。

 Step1. 治療義歯を初めて入れた当初は患者さんの噛み癖、筋肉や顎のひずみ、それらを持ったままその時の状態で患者さんに合った入れ歯を入れます。当然入れた時は噛めます。
 Step2. ところがその入れ歯を使用しているうちに、口の周りの筋肉もほぐれ、顎のひずみも解消し身体はよい状況に変化してきます。でずが、入れ歯は作った当初のまま変わっていませんので、入れ歯が合わなくなり、うまく噛めなくなります。痛みがでることもあります。その期間は2・3日後に個人差なしでほぼ現れます。これは身体のひずみが改善してきた証拠です。
 Step3. 合わなくなったタイミングで来院していただきその時の身体の状態に合うように噛み合わせを調整します。調整するとまた以前のように使い勝手のよい、あった入れ歯を実感することができます。
 Step4. それから、その入れ歯を使用し1~2週間(期間は個人によって変わります)すると、また合わないようになります。また噛み合わせが変わるのです。そしてまたその時の身体に合うように噛み合わせを調整します。

このサイクルを繰り返しながらどんどんと身体のひずみは改善していき調整の間隔も長くなり安定してきます。調整は口の中の状態が悪かった人ほどお時間がかかります。 身体のひずみが改善され噛み合わせが安定し、歯茎も落ち着いたら治療義歯の役目は終わります。これから先は本義歯の仕事となるのです。

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